遠くに立山連峰を望む「恵まれた自然環境」下、「30分の有酸素運動」と「2-3時間の知的生産」を組み合わせて、毎日3セットを行っています。人間が持つ”自然”な欲求に則った方法で「無意識の世界」を開拓することにより、「気付き」「閃き」「斬新な発想」を得て、「創造性開発」に繋げることができます。この方法を「自然創発型循環モデル」と名付けました。
原始の時代からの「人類進化の歴史」を考えるに、人は「生存」「種族繁栄」「安全」などの基本的欲求に始まり、現代人の「自己実現」「自己超越」という高次の欲求に至ります。その欲求を満たすための人間の行動原理として、「合目的性」「試行錯誤」「動的平衡」の3点が重要と考えられます。その中の「動的平衡」に関連して言えるのは、人間は動き回るのが「自然」本来の姿だ、ということです。
「恵まれた自然環境」下での「有酸素運動」は、”人間の本能に根ざした実践的行動”です。「自然=身体(有酸素運動)=無意識→気付き/閃き/斬新な発想→創造性開発」という枠組みに拠る、自然環境下の有酸素運動が出発点の創造性開発手法が「自然創発型循環モデル」です。
「創発」とは、”部分の総和を超えた新しい秩序の出現”を指します。
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「自然創発型循環モデル」による創造性開発について具体的に説明します。
1.「恵まれた自然環境下」「有酸素運動30分」「知的生産2-3時間」実践
私自身は数年前から、晴天・曇天時は毎日1万歩、雨天・雪道でも5千歩のウォーキングを実践してきました。従来は、「毎日1万歩の知的創造モデル」という表現で説明をしてきました(本ブログ第228回「有酸素運動」と「無意識の開拓」を軸とする「知的創造モデル開発」増補改訂版)が、運動習慣がない方がいきなり1万歩のウォーキングを実践するのは無理があると感じたかも知れません。
今回の「自然創発型循環モデル」は、「ウオーキング30分(約3千4百歩)」と「知的生産2-3時間」を毎日3セット行う事を基本としますが、応用動作としては、30分のウォーキング(散歩)は、1時間程度の庭仕事・大工仕事・家事(掃除・洗濯・料理)などの「有酸素運動」で代替可能です。また毎日3セットの実践が無理な方は、毎日1セットや週末2-3セットの実践でも相応の効果が得られます。先ずは実際に行動に移していただければ「有酸素運動」の効果が実感できるかと思います。
2.「有酸素運動」の効果とメカニズム
「自然環境下の有酸素運動」後は、1)心地良さ=「快」の感情、2)「心身」健康レベル向上、3)「脳」活性化、を体感することができます。結果として、有酸素運動後の知的生産性が顕著に向上します。
この「心・身・脳」活性化の「有酸素運動」効果のメカニズムは、①体内、特に脳内の血流増加による十分な酸素供給、②脳内物質ドーパミン+H&N物質(セロトニン・βエンドルフィン・オキシトシン)の分泌、➂BDNF・イリシンの分泌、➃神経ネットワークDMN(デフォルトモード・ネットワーク)の活性化、➄脳波がα波・θ波優位になる、⑥脳幹RAS活性化、の複合的作用と推定されます。
3.「有酸素運動」とセットで行う「知的生産」とは?
「有酸素運動(=歩く瞑想)」とセットで行う「知的生産」とは、「読書(=賢者との対話)」、「ジャーナリング(=書く瞑想)」、「研究ノート作成(考える瞑想)」、「自問自答(もう一人の自分との対話)」、「株投資先掲示板投稿(株主との対話)」、「生成AI問答(=AIとの対話)」などです。私の場合、これらの情報を解析・統合・編集した上で、2千~5千字の「ブログ論考」記事を作品化してきました。毎月5~10論考記事を執筆し、年間100編を超える「ブログ作品」に仕上げています。
この「有酸素運動(=歩く瞑想)」「ジャーナリング(=書く瞑想)」、「研究ノート作成(考える瞑想)」『動的瞑想』は、通常の『静座瞑想』と異なり、より自然な方法で自分の「無意識の世界」の情報・アイデアを効果的に「顕在意識」として取り出すことが可能です。
また「自問自答(もう一人の自分との対話)」、「読書(=賢者との対話)」、「株投資先掲示板投稿(株主との対話)」、「生成AI問答(=AIとの対話)」を『瞑想的対話』と呼んでいます。「顕在意識」として取り出した情報・アイデアを基に「問い立て」を行い、様々な方法で「対話」することを通じて、課題・テーマの解決に繋げます。
4.「無意識の世界」歩行術
1)恵まれた自然環境下の有酸素運動は、前記効果とメカニズムにより「無意識」の領域にある情報・アイデアの「顕在意識」化を促進します。
2)また自然な「動的瞑想」や「瞑想的対話」を組み入れることにより、「無意識」領域の情報・アイデア同士の結びつきによる「気付き」「閃き」を得ることができます。
3)更に「無意識」情報の意識化は、「斬新な発想」と「創造的アウトプット」に繋がります。
以上の顕在意識⇌無意識の往復運動は可逆的で、一種の「動的平衡」と言えます。「自然環境」下の「有酸素運動」は、この動的平衡の頻度・振幅・スピードを高める効果があると感じています。また「自然との対話」は五感+体感(身体感覚・内的感覚・直感)を総動員して得られる”感受性”、特に”美意識”や”情緒”を高めるのに有効です。
5.知的生産性の向上と創造性開発
これら「自然環境下の有酸素運動」「動的瞑想」「瞑想的対話」の複合効果により、私たちの脳内の「無意識」の領域にある情報アイデアを「顕在意識」に上げることができます。この「無意識」の顕在意識化は、脳内物質ドーパミン分泌を軸とする前記6つのメカニズムの複合的作用によるものと考えています。
これらの「有酸素運動」「動的瞑想」「瞑想的対話」により、「無意識の世界」の「扉開度」「感受性」の高まりが得られます。また「無意識」領域の情報・アイデア同士の結びつきによる「気付き」「閃き」を経て、「無意識」情報の意識化は、「斬新な発想」と「創造的アウトプット」に繋がります。
更に、新しい仮説ですが、ドーパミン+H&N物質(Here&Now:「今ここ」の意味、セロトニン・βエンドルフィン・オキシトシン)の分泌が脳幹RAS(Reticular Activating System:脳網様体賦活系)の機能を高めている、と考えています。
少し補足説明しますと、脳幹RASは、膨大な知覚情報を取捨選択することで、脳のエネルギー消費を最小限にするという大事な機能を持っています。RASの機能を簡単に言えば、自分にとって大事なことにフォーカスするということです。逆に言えば、フォーカスしていない部分が見えなくなる、という無意識に感知する高性能フィルターの役割を持っています。
このRASのフィルター機能を調節し、無意識領域にある情報・アイデアを意識化に上げることが、「有酸素運動」効果の一つと考えています。また「有酸素運動」効果は、他の「動的瞑想」や「瞑想的対話」によっても促進されると推察されます。
「無意識の世界」の意識化=「無意識の世界の開拓」により得られる「気付き・閃き・斬新な発想」は「創造性開発」に繋がります。得られた「創造的アウトプット作品」による自己表現→自己実現→自己超越(世のため人のため)のフロー完成を目指しています。』
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「自然創発型循環モデル」の「価値観」具体例を示します。
1.「既存の枠組み」の部分最適化でなく、斬新な発想での「新たな枠組み」創出
2.「Have-to」思考(義務感)でなく、「Want-to思考」(自分の根源的欲求)
3.「現状維持」でなく、「改善」、更には「改革」意欲
4.「問題解決」だけに留まらず、「問いを立て、問題提起」
5.「ファスト・ドーパミン」駆動でなく、「スロー・ドーパミン」駆動
6. 「アウトサイド・イン」(他人軸・他力本願)でなく、「インサイド・アウト」
7.「不自然」「制約」「他人軸」でなく、「自然体」「自由思考技術」「自分軸」
8.「外発的動機付け」(金銭・報酬・地位)でなく、「内発的動機付け」
9.「論理」の出発点は「美意識・情緒」、
10.「スキル(HOW-TO)」だけでなく、「センス(WHAT)」
[総括]
意識の世界は、既存の枠組みの最適化=”足し算”の世界ですが、無意識の世界は斬新な発想で新たな枠組みを創出することにより、”掛け算”の世界=無限の可能性が開かれています。
『家の中(意識の世界)」だけでなく、「大自然(無意識の世界)」へ飛び出そう!』
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以下、「自然環境下の有酸素運動」と「知的生産性向上」を軸とする「自然創発型循環モデル開発」(2025/12/27)、の基本フローを整理します。
1.「人間の基本的欲求」(生存/安全+食事・運動・睡眠+「快感」原則)
2.「行動原理」➀合目的性、②試行錯誤、③動的平衡
3.「有酸素運動」(人間は動き回るのが「自然」本来の姿)
4.「有酸素運動効果」➀身体(含む脳内)血流増加、➁ドーパミン+H&N物質分泌、➂BDNF・イリシン分泌、➃神経ネットワークDMN最適化、➄脳波α波・θ波優位、⑥脳幹RAS活性化
5.「意識⇌無意識」:”動的平衡”(振幅・頻度・スピード最適化)
6.「無意識の世界」の「扉開度」「感受性」高まり
7.「気付き・閃き・斬新な発想」
8.「知的生産性向上」
9.「創造性開発」
10.「自己表現(創作品)」→「自己実現」→「自己超越(世のため人のため)」
以上の10項目は、1→2→3→4→5→6→7→8→9→10(→1→2)→3→4→5→6→7→8→9→10→の「繰り返し循環システム」です。「繰り返し循環」により螺旋状に自己成長(スパイラルアップ)していきます。
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最後に、「自然創発型循環モデル」開発に際して、参考にした主な文献・記事・動画を列挙させていただきます。
[参考文献・ネット記事・YouTube動画]
養老孟司著「唯脳論」(1998年、筑摩書房)「考えるヒト」(2015年、筑摩書房)
マイケル・ポランニー著「暗黙知の次元」(2003年、筑摩書房)
ダニエル・カーネマン著「ファスト&スロー」上下巻(2014年、早川書房)
スティーブン・R・コヴィー著「7つの習慣」(2013年、キングベアー出版)
青砥瑞人著「BRAIN DRIVEN」(2020年、ディスカヴァー・21)「4つの集中」(2021年、KADOKAWA)
ダニエル・Z・リーバーマン著「もっと! 愛と創造、支配と進歩をもたらすドーパミンの最新脳科学」(2020年、インターシフト)
アンデシュ・ハンセン著「運動脳」(2022年、サンマーク出版)
岩立康男著「直観脳」(2024年、朝日新聞出版)
ラッセル・A・ボルドラック著「習慣と脳の科学」(2023年、みすず書房)
ジェームス・W・ヤング著「アイデアのつくり方」(1988年、CEメディアハウス)
苫米地英人編『苫米地メソッド「無意識の使い方」』(2017年9月、30分動画)
佐藤航陽編「無意識を操る時代へ:意識5%で無意識95%-AI後の人間の仕事は無意識の開拓」(2025年9月、30分動画)
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以上が、大学・公的機関・企業に属さない個人研究者の5千字のブログ論考記事です。
AI技術革新の真っ只中、個人研究者自身が、ある意味、生体センサーを用いて、五感・体感(身体感覚・内的感覚・直感)を総動員して得た「感覚」、更には「感情」「思考」を経て、試行錯誤の「行動」を伴って確立してきたのが、この『自然環境下の有酸素運動が出発点の「自然創発型循環モデル」』です。「無意識の開拓」という壮大なテーマへの挑戦でもあります。
AI時代だからこそ、「センスの神様は細部に宿る」という捉え方が大事なんだと思います。 「何となく」「そんな気がする」「感じがする」、という人間が持つ感覚・感性・感情を大事にしたいと思っています。
「自然=身体(有酸素運動)=無意識→気付き/閃き/斬新な発想→創造性開発」という枠組みに拠る、自然環境下の有酸素運動が出発点の創造性開発手法が「自然創発型循環モデル」です。このモデルが、広く世の中に普及すればと思っています。