「スポーツ(運動)と脳科学」第103回ー「小型成長株」投資の話ー

前回のブログ記事投稿から1週間近く経った。今回は初めての試みとして、参考文献と論理構成ナシで原稿を書いてみた。成り行き任せで、どの位の文字数になるか興味が有る。テーマは日頃実践している「小型成長株投資」だ。毎日自分で考えながら、PC端末を通して相場取引している話題だから書きやすい。

小型成長株」は、自分の中では「大型安定株」とか「割安株」の対義語として使っている。ここで「小型株」は、株価が100円~500円台の低位株で、時価総額が1,000億円以下の銘柄をイメージしている。例えば、発行株数が1億株で株価が300円なら、時価総額は300億円となる。

 

今回の記事のキーワード「小型成長株」「厳選投資家」「社長の経営術」だ。

ここで「厳選投資家」とは、みさき投資・中神康議社長が著書の中で定義している。上場企業4,000社の中で偏差値70以上の優良企業(統計的に言えば+2σ≦の上位2.3%=90社程度)を見つけることが出来る投資家のことだ。必然的に「長期投資」になるし、個人的には、「長期厳選投資家」は「小型成長株」銘柄選択眼が重要と考えている。

 

私自身の体験として、6年前の、当時東証ジャスダック上場の時価総額200億円規模の小企業との出会いが「長期厳選投資家」への道を拓いてくれた。JALCOホールディングスという会社の「キラリと光る」田辺順一社長の話を直接聞き、興味を持った。市場動向分析と自社の事業構想について熱く語った1時間位の投資家向け説明会だった。

 

通常、増収・増益(・増配)企業は、優良企業に見合った相当高い株価になっているケースが多い。その場合、割高の投資になってしまうので、既知優良企業への株式投資の妙味は小さい。従って、将来的に業績が伸びる成長期待のある銘柄(=通常は小型株)を見つけることが大事だ。

 

小型銘柄の場合、圧倒的にその企業の経営トップ、即ち「社長」中長期経営ビジョン・経営術・センス「超」重要だ。

投資先企業の業績は、通常、決算書PL(損益計算書BS(貸借対照表を見て判断する。但し、ここで重要なのはBS(貸借対照表に載る「金融資本」「物的資本」とは別に、BSに載らない「人的資本」に着目したい。BSに載らない「人的資本」こそ小型成長株」投資の胆かも知れない「人的資本」の例は、経営幹部を含む社員、ブランド、顧客、技術力、などである。

 

前記の小型成長株の代表銘柄JALCOの場合、2018年当時の業績(決算書BS・CS)は目立つ数字ではなかった。しかし、投資家向け説明会で熱く語る田辺順一社長の言葉には力があった。市場解析と自社事業構想の数字は目を見張る内容だった。今思い起こせばBSに載らない「人的資本」、例えば、田辺社長のパチンコ関連市場についての情報分析力を含む経営術・センス、ブランド・顧客ネットワーク力、などはレベルが高かった。「キラリと光る」と感じた中身は、田辺社長がイメージする「事業展開の自信」の表れだったのだろう。

JALCO田辺社長の経営術・センスは見事、という確信を得たのは、ここ数年だ。
1.パチンコ産業特化金融・不動産ビジネス」総合展開による増収・増益・増配          2.「人的資本」経営・・・公認会計士1名を含む少数精鋭社員社員大口持株制度        3.「株主対話型」経営・・・毎月1.5時間動画配信の中でQandA株主懇談会開催

田辺社長の経営術・センスの中で特筆すべきは、ここ数年の人事政策での社員の経営参加意識の高め方株主との積極的な対話だ。例えば「累進的配当政策」は株主からの要望を経営施策に取り入れ、結果、株価上昇と高値安定につながった。

 

個人的には6年前から、「自調・自考+自責・自行」で小型成長株JALCOの投資額を徐々に増やした。決算資料と会社IR動画を解析しながら、小型成長企業としての業績の伸びを実感できた。結果、当時の株価160~180円から、現在は3倍超えの500円台に上昇した。現時点で配当利回り9.5%、株価値上がり2.94倍の含み益が得られている。JALCOという小型成長期待株を知って6年後の今、10バガーも期待できそうな優良銘柄に成長しつつある。

優良企業は、増収・増益・増配での短期利益+中長期的利益の最大化+社会的使命感、がセットだ。結果、経営・社員・株主に加えて、顧客・取引先・広く社会を含むステークホルダーに応分のメリットを与える。株主還元や株主との積極的対話姿勢も重要だ。

 

「小型成長株」投資で大事なのは、平常心で相場動向を見極めつつ、見つけた銘柄について(超)短期投資で目先の利益(だけ)を追うのではなく、長い時間軸で投資先企業の成長による中長期視点での利益の最大化を狙うことだ。この場合、投資先企業の社会的使命感を重視したい。JALCOの事例では、「金融民主化」実現を「志」としている。

 

JALCOの事例で学んだのは、①経営トップ(社長)の中長期経営ビジョン・経営術・社会的使命感、②「人的資本」経営(経営幹部を含む社員の質的向上、顧客ネットワーク化、自社ブランド化)、③「株主対話型」経営だ。「小型成長株」投資の参考になれば良い