「スポーツ(運動)と脳科学」第25回-LPGA古江彩佳はなぜ強いのか?ー

米LPGAツアーが開幕しました。日本人女子プロゴルファーが多数参加する中、古江彩佳選手の活躍が目立ちます。今回のドライブオン選手権では、前週に続き首位争いに加わり、見事4位に入賞しました。世界の強豪が集う米ツアーで、153センチと小柄な古江彩佳はなぜ活躍できるのでしょうか

 

個人的なスポーツ体験から、アスリートの行動パターンは

自然体/平常心+「心・技・体」+知性/哲学自己表現自己実現自己超越(社会貢献)

というフローが理想型と考えています。このフローの型に沿い、古江選手のゴルフについて考察してみたいと思います。

 

1.「自然体/平常心」

古江選手はいつも穏やかな笑みを湛え、情緒豊かな印象です。素直で明るく「自然体」です。脳内物質セロトニンが活性化された状態では、心は落ち着き「平常心」になると言われています。「癒しの物質」セロトニンの幸福感が古江選手の自然体/平常心を支えているのかも知れません。

 

2.「心技体」

1)「心理面」

前項で触れました様に、古江選手の持ち味の一つは心理面の安定感です。プレー中のどんな局面でも、沈着冷静で、目前のプレーに集中できる「マインドフルネス」状態を感じます。リラックス感に満ち溢れています。

2)「技術面」

古江選手のもう一つの持ち味は「ショット力」です。小柄な古江選手は飛距離が出ない分(と言っても240ヤードは飛ばしますが)、「スィング軌道が一定」のブレのない安定したフォームです。結果、「スィングに力みナシ」です。この二つの技術によりグリーンに載せるショットのコントロールが抜群になります。必ずピンハイの位置に載せ、上りのパットラインを残します。いくらピンに近くても下りのパットは難しいからです。必然的にボギーは減り、バーディーのチャンスが増えます。

3)「体力面」

小柄な古江選手ですが、体の柔軟性と下半身の安定感でカバーしています。LPGAマッチプレー選手権で2年連続準優勝をしています通りスタミナは十分です。メンタルとスィングの安定感がスタミナ強度を増すのかも知れません。

3.「知性/哲学」

三つ目の持ち味は、見るからに「賢いプレー」振りです。自分の長所と短所を良く知った上で、ゴルフ戦略・戦術を組み立てています。日常生活でも何をやってもソツなくこなす女性なのでしょうね。知・情・意のバランス感覚がありつつ、内面は負けじ魂と哲学心が共存しているかの様です。

 

以上の古江選手のゴルフの特徴とツアー実戦での自己表現と自己実現により質の高いパーフォマンスを得ています。我々が学ぶべき点が多くあります。

重複する面もありますが、要約しますと

1.先ずは自然体・平常心・向上心、心理面の安定性

2.目的意識+試行錯誤研鑽(練習・学習)を積むこと

3.自分の特徴を生かした「技術」「型」を身につけること

こんな感じでしょうか。

 

今季のLPGAツアーでの日本人選手の活躍を期待して、寝不足覚悟で、週末のWOWOW放送を楽しみたいと思います。渋野選手も頑張れ!