「スポーツ(運動)と脳科学」第78回ー長期構想に沿い、当面の目標に主体的に取り組むー

若い頃、海外通の上司(研究部長)から良い話を伺いました。欧米企業の「新製品」研究開発(R&D)では、Vision(長期構想)/Target(短期目標)/Initiative(主導権・主体性)の3点を押さえてPJ推進するという話です。この考え方は今まで様々な場面で役に立っています。企業PJ運営上の考え方ですが、個人的な活用事例として「株式投資」の場面があります。

株式投資先企業の業績や株価は、目先の数字だけに囚われずに、1年後、2~5年後、更には10年を超える「長期的展望・夢」があっての「今」、という考え方です。短期(短気)は損気、中長期投資であれば、長い時間軸に沿い視野を広げ、自然体で臨めます。この場合、「信用」株取引でなく「現物」株投資が前提になります。投資家メリットの享受には成長企業の選択眼がポイントです。また長期的視点での「世のため人のため」という社会に対する使命感が企業及び投資家の長期利益最大化にもつながると考えます。

 

更に、このVision/Target/Initiativeという枠組みは、日常の仕事・学業・家事・趣味・スポーツの場面にも適用可能です。「時間軸」を長く、「視野」を広げ、「主体的」に課題に取り組むと、心身両面に余裕が生まれ、平常心・自然体で「今ここに」(=マインドフルネス)集中できることを実感しています。

またInitiativeという言葉は、コビー著「7つの習慣」の中の第1の習慣「主体的である」と同義である。コビー書(88頁)には、主体性は人間の本質の一部であり、Resourcefulness=知恵Initiative=率先力を使えと記されています。誰かに動かされるのではなく「自分から主体的に動く」道を選ぶことが必要です。またInitiativeという言葉は、独創力、進取の精神という意味も有していることは注目に値します。

 

個々人は皆、自分の人生の経営者であり、デザイナーであり、アスリートである。個人的課題・プロジェクトのリーダーでもあります。「心豊かに自らの道を究む」という基本理念に沿い、何事もチャレンジ精神を持って前向きに取り組みたいと思います。