「スポーツ(運動)と脳科学」第56回ー第六感を大切にしたいと思いますー

「第六感」という言葉は、基本的に、五感を超えるもので、物事の本質を掴む心の働き、のことを指しています。西洋的な概念だそうで、類義語として、インスピレーション、勘、直感、霊感などがあります。

 

私の場合、若い頃からの「第六感」的?な価値判断基準があります。

1.物事の判断で、二者択一で迷ったら、「自然か・不自然か」で決める

2.(男として、競技者として)前向きな「闘魂」を持ち、課題に挑戦する

3.「呼吸」は最重要、加えて「リズム」感を大事にする

競技テニスの経験からは、

4.「3C」が、技術+心構えの両面からのポイント

 ①コントロール(Control)

 ②集中(Concentration)

 ③自信(Confidence)

また最近は、

5.人間は「心地良さ」=「快」の感情を求めて行動する

という感覚的な思いがあります。

 

話は少し飛躍しますが、山奥の源流部のイワナ釣りで一人で魚止めの滝に詰め入った時、雄大な自然の荘厳さを目の当たりにして、センス・オブ・ワンダー的なものを感じました。生涯で初めての体験でした。

 

今は「知性+感性」の時代ですが、個人的にはこれに「野性」を加えて、3者の総合力とバランスが重要という認識を持っています。「第六感」が、原始の時代からの人類祖先のDNAとか動物脳とかに端を発するのかどうかは良くわかりませんが、AI時代だからこそ、それは「ヤマ勘」ではなく、自然と内面から湧き出るもの、「直感」とか「直観」とかが重要ではと思います。

 

ティーブン・R・コビー著「7つの習慣」の基本的考え方にインサイド・アウト」という概念があります。一言で言えば、自分自身の内面から始めるという意味です。

インサイド・アウト」は、人間の成長と発達を司る「自然の法則」に基づいたプロセスで、上向きに成長する螺旋になります。本書を良く読むと「脳全体を使う」という項目があります。基本的に、左脳は論理や言語の領域を専門にし、右脳は直感的、創造的な領域に強いと言われています。また左脳は個々の部分や特定の事柄を、右脳は全体や部分と部分の関係を見ます。

 

「第六感」というのは、ここで言う左脳か右脳かでなく、左右脳を含めた脳全体=大脳新皮質(人間脳)だけでなく、大脳辺縁系(哺乳動物脳)脳幹部分(爬虫類脳)まで含めた「全脳」を使うことにより働くのでは、と勝手に想像しています。

 

自然環境と動物・植物と共生し、色んな人々の個性や多様性を許容しつつ、自分自身は自然体・平常心で、自分が感じる・思う・考えることを素直に自己表現し、少しでも自己実現のレベルを高めていければと思います。