「スポーツ(運動)と脳科学」第14回-団体競技としての「駅伝大会」と人間観察-

駅伝の季節到来だ。師走に入ると全国中学駅伝に始まり、高校・大学・実業団・都道府県対抗と、年末年始や以降も駅伝のテレビ中継が多い。観戦するスポーツの中では割と単調な競技だが、見ていて面白いのはなぜだろうか。

 今日は、美しい富士山の雪景色と女子大学駅を興味深く見た。走る選手は目一杯頑張るので力走中は厳しい表情も見せるが、母校のタスキを仲間に繋ぐときには健やかな笑顔に変わる。自らベストを尽くした達成感と次走仲間への激励の気持ちが表情に見て取れ、清々しい気持ちになる。                                    

個人的に、32チーム参加の市主催中学駅伝に出たことがあるが、3キロの距離でも結構きつくて余裕がなく楽しい感覚はなかった。でも全国レベルの選手になれば、素質的にも、また十分な練習を積み、コース試走も何回か繰り返し、自分の走りに自信がある選手が多いのだと思う。                                    
                                    
個人種目の長距離走やマラソンと異なり、日本独自の駅伝競技には選手がチームの「タスキを繋ぐ」という使命感があり、団体戦ならではの競技の面白さが魅力の一つだ。                        

 

強い選手は走るフォームと表情を見ればすぐわかる。「速さ」「力強さ」「リズム感」がある。それに加えて全体の「フォルム」が美しい。「フォルム」という言葉について調べたが、語源はフランス語「forme」だそうで、(立体的な)形状という意味だ。
話は飛ぶが、女子プロゴルファーの渋野日向子選手が超人気なのも、彼女のゴルフ姿全体の「フォルム」が美しいからだと、個人的には思っている。                                    
                                    
また良い選手は、持ちタイムが良いだけでなく、「知性」を感じたり、「哲学心」さえ感じることがある。                                    
有酸素運動では、セロトニンドーパミンやエンドルフィンなどの脳内物質が出るのだろうから、選手の余裕度と体調や心理状態や脳の活性化レベル次第では、様々な効果が期待できるのかも知れない。例えば、長距離走の場合の所謂ランナーズハイ」は、多幸感や喜び・満足感・高揚感・ウェルビーイングといったポジティブ感情が得られるそうだ。

 

人間は動くことが本能的な行動で、原始時代には走る=狩猟活動=食料確保の生活という前提があった。自分自身、子供の頃は歩くよりも走る方が好きだった記憶がある。今でも、1万歩ウォーキングの途中で衝動的に走りたくなることがある。                                    
最近はインターバル速歩を取り入れ有酸素運動の強度調節を行っているが、来年はランニングを盛り込んだ方法も試してみる価値があるのかも知れない。何れにしても、有酸素運動後の「快」感情・「心身」健康にプラスして「脳活性化」レベルを一層向上し、創造的アウトプットの品質を高めていきたい。