「スポーツ(運動)と脳科学」第33回-コヴィー著「7つの習慣」の株式投資への応用-

ティーブン・R・コヴィー著「7つの習慣は全世界で販売部数3,000万部を記録し、20世紀に最も影響を与えたビジネス書1位に輝く名著です。今回、本棚に並ぶ「7つの習慣」を読み返し、株式投資への応用を考えてみました。

本書の冒頭に、ケネディ大統領が説いた、”Ask What You Can Do” という言葉が紹介されています。「国があなたのために何をしてくれるのかを問うのではなく、あなたが国のために何を成すことができるのかを問うて欲しい。」という趣旨の演説の一部です。

個人的にこのケネディ大統領の言葉が好きで、株式投資に対しても同様の考え方をしています。つまり、「投資先企業が株主に対し何をしてくれるのか(を待つの)ではなく、株主がその企業に対して何が出来るのか!」と発想を転換すると、投資家としての主体性が生まれます。

別の表現を使えば、株式投資に際しては「自調・自考+自責・自行」という心構えが良いのではと思います。自分で調べ、自分で考えたことを、自己責任で意思決定し、自ら行動実践する、という意味です。

 

コヴィー著「7つの習慣からの太字7項目の引用と私の個人的考えをご紹介します。(  )内に私の「株」に対する取り組み姿勢を記しました。

1.主体的である株式投資に際しては、他力本願でなく主体性を持って取り組む。例えば、有名な株式アナリストが推奨しているからその銘柄に投資するのではなく、自分で企業業績データを解析した上で銘柄選定したり、自分で売買技術を高めたりすること、を含みます。)

2.終わりを思い描くことから始める(目先の超短期的視点でなく、中長期的視点で相場を俯瞰して眺め、局面を冷静に状況判断し、究極の投資目的・目標を見定める。)

3.最優先事項を優先する(現状分析と状況判断の上、今、何をすべきか優先順位を付け行動する。)

4.Win-Winを考える(経営者/従業員/株主、更には顧客・取引先・社会、等のステークホルダー間の利害関係や役割分担を認識する。)

5.まず理解に徹し、そして理解される(上記関係の中で、皆が相応のメリットを享受できる様なバランスを考慮の上、株主として投資に見合った応分の利益を得る。)

6.シナジーを創り出す(相加的でなく相乗効果を意図し、配当金は再投資し複利効果を狙う。)

7.刃を研ぐ(本書では個人の価値を高めていくための習慣、肉体・精神・知性・社会(性)を意味しています。個人的には、自分自身の行動哲学になりますが、自然体/平常心+心・技・体+知性/哲学、という基本フロー株式投資においても重要と思います。)

 

以上、コビー著「7つの習慣」の重要7項目から考察される「株式投資への応用」について考えてみました。本書では「知識」「スキル」「意欲」の三つが交わる部分を「習慣」と定義しています。500頁の分厚い本を片手に、自分の内面から湧き出る内発的動機を原点に、インサイドアウトという考え方で、上向きに成長するスパイラル手法株式投資に応用してみるのも「株」の楽しみ方の一つかも知れません。