「スポーツ(運動)と脳科学」第73回ー近藤麻理恵著「人生がときめく片づけの魔法」と人生哲学ー

世界40か国で翻訳され1,300万部を売り上げたという近藤麻理恵著「人生がときめく片づけの魔法」(2010/12/27、サンマーク出版)を読みました。多くの方(特に女性)にとって有名な本と思いますが、私なりに「男」視点で要点を纏め、相当な飛躍や新たな観点を含めブログ記事としました。

本書はセンスに富んだタイトルの本です。一応(2008年にベネッセ株主優待で貰った)国語辞典で、タイトル中の言葉の意味を確認しておきました。

 

ときめく                                
    「喜びや期待などで胸がどきどきする」                  
片付ける                                
    ①物などを適当な場所に納めたり、捨てたりする。                            
    ②物をあるべき場所に納め、整った状態にする。                            
    ③物事を解決する。                            
魔法                                
    「不思議なことを起こす術」                            

本書の内容ですが、私なりに心が動いた点を簡潔に纏めました。

1.「片づけはマインドが九割」[6頁]                                             
(本書の)片づけ法は、いわゆる物理的な整理収納ノウハウではなく、片づけにおける正しいマインドを身につけて「片づけられる人」になるための方法です。

2.「片づけたい衝動」[34頁]                                            
   どうやら試験前に限らず、切羽詰まった状況になると片づけたくなる人が多い  →[私見自分に集中するための行動でしょうか(=マインドフルネス)、脳内物質セロトニン効果かも知れません。                    

3.人生のリセット[36頁]片づけを始めたそのときから、人生のリセットを迫られる。その結果、人生をが大きく動き始めていきます。                                      
4. 触った瞬間に「ときめき」を感じるかどうかで判断する[59頁]→[私見五感の内「触覚」が関係、「ときめき」はドーパミン効果でしょうか?

5.片づけとは「モノを通して自分と対話する作業」[82頁]片づけを真剣にしていると、瞑想状態とはいかないまでも、自分と静かに向き合う感覚になっていくことがあります。

6.「本の片づけ方」すべての本を床に全部並べてみる 。途中まで読んだ本も最後まで読み切る必要はありません。その本の役割は途中まで読むことだったのです。

7.「感情を信じて行動すると、すべてがうまくいく」[168頁 ]

8.モノを捨てることによって、決断力が磨かれていきます。[246頁]

9.本来、「片づけとは人とモノと家のバランスを取る行為」[249頁]

10.ときめくモノに囲まれた生活を送ると幸せになれる。[262頁]                                                                                    
総括 [ 267頁]                   
  あなたが本当にときめくこと」に大いに時間と情熱を注いでください。それはあなたの使命といってもいいいかもしれません。あなたが心底ときめく使命を見つけるために、片づけが大いに役立つことを、私は声を大にしていいたいと思います。本当に人生は「片づけたあと」に始まるのです。                                      

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本書を読むきっかけは、我が家の本棚から溢れる本の片付け法=ハウツー本としての期待だったのですが、本書を読んで、もっと大きな著者の「価値観」とか「人生論」「哲学」的な主張が背景にあると感じました。小柄な華奢で繊細なタイプの近藤麻理恵(こんまり)さんですが、2015年に『TIME』誌「世界で最も影響力のある100人」に選出されたそうです。

そんな”こんまり”さんについて、海外のメディアが、「“こんまり”は片付けを諦めた」と報じたのです。近藤麻理恵さんは、本書出版当時は26歳でしたから、この作品から10数年経過した現在39歳になり、1歳と6歳と7歳の3人の子供さんがおられます。子育てに奮闘する中、片付けに気を回す時間が、取れなくなってしまったそうですが、”こんまり”メソッドは健在です。ただ、完璧に片付いているということ自体が目的・大切なのではなくて、家族と幸せに過ごすことが目的なので、と言われているそうです。

 

本書の要点は上記「総括」に纏められています。この近藤麻理恵書から得た個人的な学びを以下3点挙げました。

1.本書を読んで、「片付け作業は心と体の有酸素運動」と捉えました。

心/人生がときめく=脳(内物質)活性化、+身体も動かす=有酸素運動」⇋「感動・美意識・創造性」

2.片付け作業の手法・哲学は、個々人が、自ら、良く考え・考え抜いた上での、意思決定(・決断)の重要性=「自調・自考」+「自責・自行」に通じる、と考えます。

3.自らの価値案本質は何かを見極めた上で、行動に移すこと=マインドフルネスが、→行動哲学→自己実現に繋がるのではと思います。

 

本書の近藤麻理恵さんの手法・主張・哲学は、私自身の「心豊かに自らの道を究む」基本理念と行動哲学(本ブログ第67回、2024/3/31)とoverlapしているという結論になりました。

 

近藤麻理恵さんが、「片づけ」を究め一世を風靡した時代は過ぎました。今どんなことを考えているかを最新刊「こんまり流 今よりもっと人生がときめく77のヒント」で探りたいと考えましたが、図書館の予約(7件)待ちです。新刊書を読めるのは3~4か月後になりますが、現在の彼女の思いを確認できる日を楽しみに待ちたいと思います。