「スポーツ(運動)と脳科学」第43回ー福岡伸一博士の「動的平衡」の話は面白い―

テレビや動画で偶にお見掛けする高名な分子生物学者・福岡伸一先生の本を先週末に初めて読みました。「新版 動的平衡3」(2023/2/6、小学館)という271頁の本を、図書館で借りて読み、最初の10頁(第1章)で魂を奪われました。

「生命は、機械論的な動的平衡という新たな生命の捉え方」

「本を書くとき、私がいつも心がけているのは、プロセスを語ることだ」

「インターネットの情報にないものは何か。それは、その答えに到達するまでの時間の経緯だ。そこには時間軸が決定的に欠けている。私は、きちんとプロセスをたどって答えに到達しないと、そこに至る喜びが味わえないのはもちろん、その答えを本当に理解したことにならないと思う。」

これは、インターネット万能時代への鋭い警鐘です。

商行為とは、使ったエネルギーよりも作り出した秩序により大きな価値を創造すること」、と経済(・経営)の話題にも言及しています。

 

今年になって私の価値観の中で急激に膨らんできたことが3つあります。

1.結果でなく、プロセスを重視するという発想

2.物事を見極めるには時間軸を考慮すべき

3.経営の究極の目的は利益(だけ)でなく価値創造

その3つ共が、福岡先生の「新版 動的平衡3」書の冒頭部分と重なっていました。第1章(10頁分)をコピーし、何回も何回も読み、重要な部分に線を引き、蛍光ペンで色付けしました。また福岡伸一先生の著作3冊を図書館の貸出申し込みをしました。

ネット検索で「福岡伸一」記事を検索し研究経歴を調べました。

YouTube動画を何本も見ましたが、昨日は、NHK「ACADEMIA」で先生の講演(72分)を1万歩ウォーキングをしながら聞きました。

 

今朝は阿川佐和子さんとの対談動画(63分)を視聴しました。レーチェル・カーソン著「センス・オブ・ワンダー」という話題も出ましたが、今、福岡伸一先生の「著作」「ネット記事」「動画」を見聞きすればするほどセンス・オブ・ワンダー(神秘さや不思議さに目を見張る感性)」に満ち溢れています。

阿川佐和子さんは文系センスの塊ですが、福岡先生は理系センスの人、且つ哲学者でもあります。どれも皆、素晴らしい内容です。養老孟司先生の著書から「人間の行動原理は合目的性と試行錯誤」ということを学びましたが、福岡伸一先生からは「生命は動的平衡を基本原理とする」との大事な話を伺いました。3連休に、集中的な「自調・自考」ができました。

 

今週は「福岡伸一ワールド」を堪能したいと思います。動的平衡」の旅は、「福岡博士の思考・哲学プロセスを知ること」でもあります。楽しみな1週間になりそうです。