「スポーツ(運動)と脳科学」第71回ー新聞週間と情報の活かし方ー

4/6から「春の新聞週間」が始まりました。我が家では新聞を2紙購読しています。私は日本経済新聞(月額4千円)、妻は読売新聞(月額3千4百円)です。妻は広く浅く時間をかけて一般紙を読んでいる様です。私は、興味ある記事や特集に絞り込み、深く掘り下げるタイプです。毎日5~10記事をスクラップし、ネット検索や文献調査することもあります。文系人間と理系人間の違いを感じます。二人家族で年間9万円近い新聞購読料ですが、新聞情報の活用次第で倍ぐらいの効果は期待できると感じています。                                
                                
私が読む日経記事を分類すると、次の様な割合です。                                 
    経済・企業・「株」記事 25%     視点「資本主義経済社会」の基礎
    社説・論考・特集記事  25%       「様々な人の意見と議論」が大事 
    政治・社会・一般記事  10%       「世の中の一般常識」            
    スポ―ツ記事      10%       「趣味テーマ」 
    書籍案内(広告・書評) 10%  「良書選択」            
    私の履歴書       10%       「有名人・有識者の人生論」            
    TV番組表       10%       「NHK番組」に掘り出し物が多い   

毎月の日経新聞記事は「本5冊」分の価値があるという感じです。

因みに私個人の情報源は、媒体別に以下の割合です。圧倒的にインタネット情報が多く、特にパソコンは手放せませんスマホは入眠時と起床時に寝床で動画を見ます。
    新聞  15%   上記

 テレビ 10%     NHK番組中心+スポーツ/音楽

 雑誌  5%    新聞広告と本屋でパラ見                    
    本   20%  市立図書館利用(月10冊位、内2~3冊は購入)
    人の話 10%  家族間の情報・意見交換が主 
 インターネット 40%                            
    (パソコン35%) ネット検索+記事・文献調査                    
    (スマホ5%)       YouTube動画中心                    
       
 4/6日経記事の中で、山極寿一総合地球環境学会研究所長が、示唆に富んだ内容を述べています。                                
1.新聞は「世界地図」、見出しに目を通すだけでも、日本や世界の出来事を知ることができる。自分が知ろうとする以外の情報が網羅的に入る良さがある。     
2.ニュースは、賛否両論を交えながら徹底的に掘り下げ、読ませる記事を書くことに力を入れるべきではないか。                                
3.一過性のニュースにはせず、過去に遡って現代を考え、未来を語ってほしい
4.新聞は、読者の考えを提示する媒体になってはどうか。識者や一般の人も交え、議論する場を紙上につくったらどうか。                                
5.社会は情報だけでなく、情報から考えやアイデアを紡ぐことで成り立っている。                                

山極寿一研究所長が指摘する、項目5「情報から考えやアイデアを紡ぐこと」が、新聞に限らず「個々人の情報への向き合い方の本質」があるのではと考えます。

学業における勉強の効果は、頭に「知識を詰め込む」”INPUT”よりも、それを話したり書いたり行動に繋げたり、という”OUTPUT”の方が重要だと言われます。                               
また 教養とは知識*「考える力」、創造性=知識*考える力*「発想力」 とも言われます。  我々が新聞情報やインターネット情報から得る知識は、それだけで完結させるのではなく、個々人の 「知る」から「感じる・思う・考える」を経て、実際に「行動する」に繋げることが重要だと思います。

                                
自分の感性・思考・価値観・哲学と美意識・センスを大事にして、様々な情報に接したいと思います。「面白い・楽しい・良いな!」=「興味・関心・好奇心」、から何か「ヒント・気付き・閃き・着想・アイデア」を得て、自分なりの「創造的アウトプット」に繋げたいと思います。                      
 

「スポーツ(運動)と脳科学」第70回ー脳科学と哲学の融合で得た生活習慣と4M仕事術ー

出発点は株式投資、5年前です。「株」の道を突き詰めると「投資家(=人間)心理」研究がポイントということがわかりました。”HOW-TO”「技術」と思っていた「株」は、実はそうではなく”WHAT”「物事の本質」を見極めること、が重要であると認識しました。ならば人間の脳の構造と仕組み=脳科学と人間の本質=「哲学」の世界です。

であれば、自分自身の日常生活=人生、にそのまま適用できる筈だと考えました。

 

そんな観点から、過去5年間の学びで得た知見を、下記「心豊かに道を究む」4M仕事術として概念図に纏めました。

 

1.基本書として、孔子論語・アダムスミス国富論」「道徳感情論」渋沢栄一論語と算盤」の3冊・・・古典ですが、何れも現代版解説書があります。

2.自然科学分野脳科学・自然・環境・生命10名の学者・研究者の著作

3.人文・社会科学分野「教養・哲学・人生論」10冊の教養書(大作を含む)が基礎資料になります。

 

この概念図に示した「生活習慣」は、項目1・2・10以外は極「普通」の項目です。但しルーチン「確度」と「質」は重要です。一言で言えば、かつてのMLBイチロー選手や今大活躍中の大谷翔平選手が理想モデルかも知れません。特記すべき生活習慣としては、項目1.の何事も自然体・平常心で感謝の気持ちを忘れることなく、項目2.の毎日1万歩の有酸素運動は生活リズムの基礎ですし、項目10.はイデア・発想・創造性開発において重要です。

 

また4M仕事術は、仕事に限らず、学業・家庭・趣味・スポーツ・芸術などあらゆる分野に適用できます。ここで4Mとは、MIND(心構え)METHOD(技法)MONEY(資金)総合的にMANAGEMENT(経営)するという技術です。すべて、岩尾俊兵著「世界は経営でできている」に記された「経営」という概念で主体的に取り組むことができます。

 

「4M仕事術」は、具体的には第67回ブログ(2024/3/31)に示した基本理念と行動哲学に準拠し、地道に創造的アウトプットを継続し、自己表現/自己実現/自己超越(社会貢献)を目指したいと思います。

「スポーツ(運動)と脳科学」第69回ー自然環境と有酸素運動と野性ー

自然散策に絶好の季節、毎日1万歩のウォーキングは2~3回に分け、合計80分です。今日は我が家の目の前の、季節になるとが乱舞する俗称「蛍川」べりの街路樹の桜が五分咲きでした。自然公園のコブシの花は満開でした。あと2カ月くらいは美しい草花と新緑が眩しい良い季節です。野鳥の動きも活発で、今春のウグイス初鳴きは3/24でした。庭木にブドウとミカンをセットした餌場には、毎日ヒヨドリがやってきます。

 

本ブログ第15回(2023/12/31)に「有酸素運動を軸にした生活モデル」を記事にしました。四季折々、自然の景色を眺めながら、大げさに言えば、動物や植物との共生を実感することも多いです。動物・植物などの生命体は、海・山・森林・河川・湖沼・平野など地球環境の中で、太陽からの熱・光エネルギーに受けながら、栄養分と酸素と二酸化炭素を他の生物や大地や大気から獲得しながら、生命を維持しています。

 

都会には土や緑が少ないので割と人工的な環境ですが、地方は自然が豊かです。若い頃は、登山やスキーや渓流釣りに出かけると、心身(・脳)共に元気になりました野性(野生)が蘇るという感じです。今、自然環境に恵まれた北陸・富山に住みながら、野生(野性味)が回復してきたと実感します。

 

第67回ブログ(2024/3/31)の「心豊かに自らの道を究む」基本理念と行動哲学、の中で、基本フローとして「5.理性・感性・野性/哲学」に挙げた「野性」というのはそういう意味合いです。

 

人が(自分が)行動する局面に応じて、例えば仕事の場面では、理性:感性:野性=6:3:1の割合とか、またスポーツの場面では、理性:感性:野性=3:3:4の割合とか、無意識に変化させているのだと思いますが、少なくとも人間が本来持っている「野性」味は常に持つべきだと考えています。「伝家の宝刀」を抜く場面は、意外にも日常の中にもあるのではないでしょうか。実力を出す・出し切る、創造力を発揮する、閃きを感じる、発想を転換する、大自然と対峙する、などの場面で有効性大ではと思います。端的に言えば「動物的カン(勘・感・観)」です。

 

厳しい自然環境の中で、競技スポーツの場面で、思考・文筆に超集中したい時、などです。また有酸素運動しながらだと(、全力疾走でない限り)、何故か集中できる自分の存在と野生(野性)の力強さを感じます。マラソン大会や競技テニス試合(シングルス)で競っている時などです。深雪スキーで悪戦苦闘している時もそうでした。

動物的感覚として、海・山・源流・雪山・森林など大自然の中に行くと、人間の「理性」や「感性」を超えた動物的な「野性」的なものが、大きく自分の心を動かす経験を何度もしてきました。都会的な生活が中心になってきているとはいえ、勘・直感・直観という部分もあります。五感(視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚)以外に、身体全体(・内面?)で感じる肌感覚や第六感のような感性(+野性?)は大事にしたいと思います。

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今回の記事は、場当たり的に、構想や予備原稿なしに、また文章の起承転結を無視して、PCキーボード入力を進めました。偶には、こんなブログ記事作成も良いのではと思いながらです。

「理性:感性:野性の割合」について論じた文献など、見たことも聞いたこともありませんが、独断と偏見で、成り行き任せの文章を作成しました。因みに今回の記事は、理性:感性:野性=2:4:4の割合、という自己評価です。

 

「スポーツ(運動)と脳科学」第68回ー自由になるための技術「リベラルアーツ」=教養ー

今、個人的に興味持っているキーワードは、「自然(・環境・生命)」「自らの人生の経営者(=主体性)」「自由技術」の3つ、共に接頭語が「自」です。基本理念の「心豊かに自らの道を究む」の延長線上の言葉です。

 

1.「自然(環境・生命)」

子供の頃から自分の価値観の基本として「自然」という概念があった様な気がします。何事も「自然体」、に加えて、最近になり福岡伸一博士の動的平衡シリーズ本からの誘いがあり「自然の摂理は人間のすべてを包み込むことが出来る」という思いに至りました。また松下幸之助氏の「自然の理にかなったことで事がならないものがない」という言葉が好きになりました。

 

2.「自らの人生の経営者(主体性)」

個人的には「自調・自考+自責・自行」を行動指針としてきましたが、今年に入り岩尾俊兵慶大准教授の著作(日経論考+著書3冊、本ブログ第35回参照)の影響を受けました。個々人は、「自らの人生の経営者」であると同時に、自分の仕事・学業・家庭・趣味・スポーツ・芸術という各テーマの経営者でもあります。

また愛読書、コビー著「7つの習慣」(本ブログ第60回参照)インサイドアウト自分の内面から始め、内から外へのアプローチによって個人の成長や効果的な人間関係を実現しようという思考)を基本的考え方とし、「主体的であること」が最優先の第1の習慣です。

 

3.「自由技術」

山口周著「自由になるための技術 リベラルアーツが参考書です。自由とは「自らに由って」という意味です。

 

リベラルアーツ」は、直訳すれば「自由になるための技術」ですが、日本語では「教養」と訳されることが多い様です。17世紀の哲学者スピノザは、人間の本質を指し示すものとして「コナトゥス」という言葉を用いました。自分が自分であろうとする力、モメンタム(推進力)といった意味です。「自らに由って」考えながら、自分自身の価値基準持って動いていくということです。望むところです。我が意を得たりです。

 

では「教養」とは何でしょうか? 有識者の定義めいた文章を引用します。

 

出口治明氏(元APU学長):「知識*考える力」こそが教養であり、アップルの創業者・スティーブ・ジョブズのようなグローバル人材として必要な資質は「知識と思考力と発想力が豊かな人」=自分の頭で、自分の言葉で、何事でも自由に考えられる人。

 

楠木建・一橋大特任教授教養リベラルアーツ「自由になるための技術」対義語はメカニカルアーツ(機械的技術)。この分類は古代ギリシャ・ローマ時代に遡る。当時の社会には「自由市民」と「奴隷」の階層があり、奴隷の人々はメカニカルアーツを身に付け、専門知識を用いた仕事をした。奴隷とはいえ給料をもらい、仕事に関する創意工夫や裁量の自由があり、能力によって評価されるプロフェッショナル。それに対して、リベラルアーツは実務よりも、『何をすべきか』という目的選択、価値判断に関わる技術。リベラルアーツを身に付けているということは、その人に固有の価値基準を持っている状態と言える。                                    

 

堀江貴文「多動力」(本ブログ第12回参照)                                    
世の中には2種類の人間がいる、カルピス原液を作る者と薄める者だ。太い幹となる「教養」があれば、枝葉は無限に伸びていく。僕は「原液」となる、時代の一歩も二歩も先のビジョンを提示しているが、それはシステムの本質と歴史の変遷を追った深い教養を身につけているからできることなのだ 。                                                
教養とは「物事の本質を見極めること」。 専門領域は細分化され、かつ変化が激しい時代だが、物事の本質はそこまで変わらない。物事を表層的に理解するのではなく、その本質を見極める。こうして初めて教養があると言える。                                    
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以上の3氏の主張は示唆に富む話ばかりです。でも、人間がいくら賢いといっても、自然ほどは賢くないし、創造性については、遊び心が大事と思います。

 

中でも、堀江貴文氏の主張は型破り且つ本質的で、心に響きました。更に「人生に目的なんてない」という項目を要約します。

今を楽しむことだけが、すべてなのだ。ただ「面白いから」「楽しいから」行動する。「ワクワクすること」、「無我夢中」になり、「没頭する」という大切なことを・・・・・。「とにかく動け」JUST DO IT!   
  
堀江貴文氏は、意外にもスポーツマンです(Wikipedia参照)。氏の主張は脳科学の知見脳の仕組みに適っています

                                                            
良書は、年に1回位、読み返すと、自分の足元が地固めされ、現実的価値が高まります。堀江氏の哲学に学び、「自分の時間」を取り戻し、「自分の基軸」を信じ、「自分流のブログ」執筆の中で、様々なテーマに挑戦し、 教養を高めていきたいと思います。 それが、 自由になるための技術「リベラルアーツ」を高める実戦的方法だと結論付けました。            

 

個人的には、前回ブログでご紹介した[行動哲学]の基本フローに則り、自己表現→自己実現→自己超越社会貢献を究極の目的にしていきたいと思います。

 

最後に、今回のブログの出発点である、

「自然(環境・生命)」⇋「自らが経営者(主体性)」⇋「自由技術=教養」

相互に関連し、3者の往復運動・回転運動・渦巻運動により、個々人が自己成長(スパイラルアップ)出来ると感じました。

 

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[参考書]

山口周著「自由になるための技術 リベラルアーツ」(2021/3/1、講談社

福岡伸一著「新版 動的平衡2」(2018/10/8、小学館

松下幸之助著「道をひらく」(1968/5/1、PHP研究所

岩尾俊兵著「世界は経営でできている」(2024/1/20、講談社

コビー著「7つの習慣」(2013/8/30、キングベアー出版)

出口治明著「出口流学問のすすめ」(2020/11/2、小学館

堀江貴文「多動力」(2017/5/30、幻冬舎

 

「スポーツ(運動)と脳科学」第67回ー新年度に向け「心豊かに自らの道を究む」基本理念と行動哲学を改訂ー

2024年「新年度」展開に向け、「心豊かに自らの道を究む」基本理念行動哲学を増補改訂しました。

 

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[基本理念]
  心豊かに自らの道を究む

    個別テーマ□□□については、心豊かに□□□の道を究む  

 

 

[行動哲学]
  基本フロー

1.自然体/平常心+2.興味・関心・好奇心+3.状況判断/思考(直感/熟考)/意思決定+4.「心・技・体」+5.理性・感性・野性/哲学 →自己表現 →自己実現 →自己超越(社会貢献)


  行動指針

  「自調・自考」+「自責・自行」
    

  PDCA自己管理手法

 Policy/Philosophy/Vision + P・D・C・A  →  Performance向上(スパイラルアップ)

 


[参考原理]

  人間の行動原理
    1.『合目的性』
    2.『試行錯誤』

  生命の基本原理
    3.『動的平衡

  自然の摂理

    4.『自然の摂理は人間のすべてを包み込むことが出来る。』

    5.『自然の理にかなったことで事が成らないものはない、何にもとらわれない素直な心で何が理なのかを見極めつつ行動していきたい。』

 

 

[価値判断基準]

1.目先(だけ)にとらわれず「中長期視点」で物事を捉えること

2.部分最適化でなく全体観とその可能性を広げる(蓋をせず無限可能性)

3.全体の流れ+リズム感を重視する

4.価値観の共有と利他精神を大切に、多様性社会を目指す

5.結果(ばかり)を追うのではなく、「プロセス」を重視すること

 

 

[参考資料]

1.基本理念と行動哲学「旧版」:3/11ブログ第55回記事「心豊かに自らの道を究む」

2.「ブログ基礎資料と新展開に向けて」:3/29ブログ第65回

3.本ブログ「文武両道忍者」プロフィール:「毎日1万歩のウォーキング(が生活の軸)、有酸素運動後の「快」の感情+心身健康管理+脳活性化。「スポーツ(運動)と脳科学」の関係を考え、併せて「人間研究」展開も目論む。」

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新年度展開に際し、もう一つのパラダイム変換は、「個々人は、自分の人生の経営者」という視点です。自分の仕事・学業・家庭・趣味・スポーツ・芸術という各テーマの経営者でもあります。

 

その上で生涯研究者です。諸々のテーマのプロジェクトリーダーです。

また様々なスポーツアスリートも続けます。

更に創作品デザイナーにも挑戦します。

自然に親しむナチュラリストにもなりたいと思います。

 

課題テーマに取り組むに際し、

感じ、思い、考え、そして、話し、書き、そして行動します。

色々な人・物・事を「知り」、「好き」になり、そして「楽しみ」ます。

遊び心と余白を持って、試行錯誤しながらです。

 

時間・空間・資源は有限なこともありますが、

自分で型・枠をはめなければ、可能性は無限大です。

 

なので、基本理念は、「心豊かに自らの道を究む」にしました。

個別テーマ□□□については、心豊かに□□□の道を究む、ということになります。

 

2024年度も、仕事・学業・家庭・趣味・スポーツ・芸術に、「心豊かに」(頑張るのではなく)自然体で、課題テーマに集中したいと思います。以上が本ブログでの自己宣言です。皆様、どうぞ宜しくお願い申し上げます。  

「スポーツ(運動)と脳科学」第66回ー行動経済学の先駆者ダニエル・カーネマン氏を偲ぶー

心理学者にしてノーベル経済学賞を受賞した、行動経済学の先駆者プリンストン大学名誉教授ダニエル・カーネマン(90歳)の訃報記事が新聞に載りました。思わず名著「ファスト&スロー」の文庫本を手にしました。本書は「意思決定」カニズムを徹底解剖した行動経済学世界的ベストセラーです。2012年に単行本、2014年に文庫本(840円+税、上下巻)が翻訳出版され、2014年に東大で一番読まれた本だそうです。

 

個人的には、「経済」の仕組み・根幹を理解する基本書として、「アダム・スミス」「渋沢栄一」「ウォーレン・バフェット」を読みましたが、実際に「株式投資」の意思決定場面で参考になったのは上記「カーネマン書」でした。「直感的」システム1と「熟考型」システム2の2つの思考法を詳述しています。

 

名著「ファスト&スロー」は上下巻で800頁を超え、とても全頁読破は自分には無理でした。最初の100頁と、以降は要部をパラ読みし、最後は下巻の「結論」明治大学友野教授の「解説」で全体像を把握しました。そして季節に何回か、必要に応じて、関連頁をめくります。重要頁に付箋を付し、重要部分は「丁寧に」鉛筆で線を引き、キーワードを「綺麗に」黄色蛍光ペンで浮き彫りにします。実体験に即して、何回か、「何回も考え」、本質を理解しようと試みました。こんな利用の仕方で5年経ちました。結構「株」や「日常生活」の意思決定に役立っています。

 

今回は、上巻・第2章「注意と努力」(60頁~)の中の文章にハッとしました。

瞳孔は魂の鏡だ

「美しい自然を撮影した写真を見ているとき、瞳孔が拡がる」

「同じ美女を撮影した2枚の写真の内、魅力的な方は瞳孔が拡がっている」

瞳孔が知的努力を敏感に示すバロメータになる」

日常生活体験から、成程感満載の内容です。

 

早速、ネットで参考文献を調べてみました。以下、要部の引用です。

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1.アメリカ・ジョージア工科大学の研究グループ(2021年6月記事)

 その可能性に気がついたのは、ダニエル・カーネマンという心理学・行動経済学者が考案した理論にもとづき、瞳孔の散大を調べていたときのことだ。「目は心の窓」というが、「知能の窓でもある」ようだ。『Cognition』(3月21日付)に掲載された研究によれば、瞳孔が大きい人ほど、論理的思考・注意力・記憶力といった知能が優れているのだそうだ。

一見関係のなさそうな瞳孔の大きさに知能が反映されるのは、瞳孔の大きさが「青斑核」という脳領域と関係しているからだという。青斑核は脳幹の上部にあって、ほかの領域と神経でつながっている。神経伝達物質としてもホルモンとしても作用する「ノルエピネフリン」という物質を放出し、認知・注意・学習・記憶に関するプロセスを制御するのがその役割だ。

 

2.筑波大学体育系の研究グループ(2022年9月発表)

瞳孔は「心の窓」、脳の覚醒や注意、精神活動を反映、瞳孔の拡大・縮小の変化は交感神経と副交感神経の両方から神経支配。その源は、脳全体にノルアドレナリンを放出し、覚醒や注意をもたらす青斑核と呼ばれる部位(神経核)で、最近、瞳孔の拡大・縮小は青斑核の活動を含む脳の覚醒状態の変化を秒単位で反映するとして注目。

一方で運動も瞳孔を拡大させるとされているが、運動中の瞳孔の変化を追跡し、脳の覚醒状態を推定した。研究では、健常な男子学生26人に自転車ペダリング運動で、非常に軽い運動強度において、瞳孔は安静状態にある時よりも顕著に拡大した。負荷が増えるに従って瞳孔の拡大変化は緩やかになり、中強度を超えた付近から疲労困憊(こんぱい)に至るまで、再び急激に瞳孔は拡大した

非常に軽い運動で瞳孔の拡大が確認できたことは、ヨガやウォーキングなどの軽運動でも脳の覚醒に関わる神経が活性化する可能性が示唆された

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毎日1万歩のウォーキングで、①有酸素運動後の「快」の感情、②心身の健康維持・向上、③脳活性化と文筆活動への好影響、などのメリットを実感している私自身、大いに頷ける研究成果です。

 

立山連峰を望む恵まれた自然環境の中、感性豊かに「瞳を輝かせて」有酸素運動→脳活性化→創造的アウトプットの好循環で、心豊かな毎日の生活をと思います。

「スポーツ(運動)と脳科学」第65回ー23年度末にブログ基礎資料整理と新展開に向けてー

2023年度末を迎えます。投資先の「株」配当権利が確定し一段落、今日は、これまでのブログ記事の纏めと今後の展望を書くことにしました。

 

本ブログは昨秋11/5に記事投稿をスタートして5カ月になります。読者の皆様のサポートがあり、65記事目になります。当初計画の倍以上のペースで投稿出来ています。

 

ブログ記事用「基礎資料」は当初1ファイルが、今は6ファイルになりました。

 No.1「スポーツ(運動)と脳科学」=『ブログ起点

 No.2「脳科学・身体・自然」=『生命・自然』関連

 No.3「スポーツ・少年時代・遊びの哲学」=『スポーツ・遊び』関連

 No.4「創造性・感性・快の感情・気付き・無意識」=『右脳』テーマ

 No.5「概念図・行動哲学・価値観」=『左脳』テーマ

 No.6「企業研究・経営・株式投資」=『ビジネス』関連

 

「百円ショップ」で買ったファイルですが、綺麗で使いやすいです。「百円ショップ」製品は、資料ファイル(4色で30ファイル程度)の他、研究ノート(毎年3~5冊)・バインダー(A4・A5両サイズ、10枚以上)・付箋(4色、2サイズ)などでフル活用です。

 

本ブログは、プロフィールに載せました通り、『毎日1万歩のウォーキング、有酸素運動後の「快」の感情+心身の健康管理+脳活性化に繋がります。本ブログで「スポーツ(運動)と脳科学」の関係について考え、併せて「人間研究」展開も目論んでいます。』。

有酸素運動読書→思考→有酸素運動→騒騒・想像・創造→アウトプット(執筆)→記事投稿→有酸素運動のサイクルです。毎日1万歩の有酸素運動を生活リズムの軸にしています。

また主題の「スポーツ(運動)と脳科学の範囲をやや広げ、65記事を執筆してきました。今後「人間研究」という背景テーマに幅を広げ、奥行きも深めていきたいと思っています。

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最後に、過去5年の読書と最近5カ月のブログ記事執筆から得た「学び」10大トピックスを挙げます。

1.「神経科」の進歩と「生成AI」実用化

2.養老孟司先生の「広くて深い」洞察

3.アンデシュ・ハンセン著「運動脳」とレイティ博士書

4.日本人アスリートの「世界レベル」活躍

5.楠木建「経営」・出口治明「教養」・山口周「美意識・感性」

6.岩尾俊兵「皆、人生の経営者」

7.福岡伸一博士「動的平衡」と自然・生命・環境

8.「小型成長株」株式投資

9.名著「7つの習慣」・「道をひらく」・「樺沢紫苑」書

10.「経済」教養書(アダムスミス・渋沢栄一・カーネマン書・藤野/奥野/田内書)

 

まだ書きたいことの2割位しか記事にできていません。優先順位を付けて、理性・感性・野性と相談しながら、自然体で執筆しようと思っています。自分に「素直に」、「書きたいと思う心」を大事にしたいと思っています。